発達「障害」から神経発達「症」へ(前編)
みなさまは「発達障害」という診断分類は、現在「神経発達症」と言われていることをご存じでしょうか。
アメリカ精神医学会の診断基準DSMが2013年に改訂されDSM-5となり、日本においても
- 発達障害 → 神経発達症
- 広汎性発達障害 → 自閉スペクトラム症(ASD)
- 注意欠陥多動症 → 注意欠如多動症(ADHD)
- 学習障害 → 限局性学習症(SLD)
と日本語訳されるようになり、よく見聞きするようになったと思います。
基本的な発達障害理解はこちら(厚生労働省HP 発達障害の理解のために)
「障害」から「症」になるメリットは、「障害に対する偏見の軽減」と「症状は変化・改善をしうる」ということが強調されることだと思います。
「障害」だから変わらない、発達しないという思い込みに気付き、周囲が特性に合わせた対応を日々行うことで<ご本人は変化・成長していくという当たり前のこと>により気付くことを助けてくれます。
ちなみに、生成AIに聞いてみると、医療においては〇〇症となる一方で、福祉制度等については当面〇〇障害が使われていくだろうとのことです。理由としては・・・
・「障害」=「福祉の対象」という法の定義:日本の福祉法制において「障害(しょうがい)」という言葉は、概念医学的な状態だけでなく、「社会的な障壁によって生活に困難がある状態(手帳や支援の対象)」という意味合いを強く持っています。
・社会的な認知度:「発達障害」という言葉はもはや学校現場、職場、一般社会に広く浸透しています。(By Gemini3)
とのことです。確かに「障害」≒福祉的支援、「症」≒医療的支援の際に役立つ言葉かもしれません。最近は「障害」を個人の障害ではなく「社会側の障害(障壁)」と捉える人も増えてきていると思います。
私はこれまで多くの「発達障害」と言われる方々やご家族と会っていく中で、明らかに特性が悪化も改善・成長もする状況を見てきました。
- 悪化する時:ご本人にとって緊張したり、恐怖感、不安感、孤独感等を感じる人や環境に遭遇。
- 改善する時:ご本人にとって安心できたり、達成感、認められ感等を感じる人や環境に遭遇。
不安感が強くなれば、ASD特性のこだわりが強くなり、コミュニケーションがより困難になり、過敏さが増大します。またADHD特性の不注意が増大し、落ち着かなくなり、衝動性も増すでしょう。
それらの特性に対して、まずは「特性理解」と「環境調整」が大切であり、どのようにご本人の特性を理解し、環境調整をすればよいのか様々な専門家からアドバイスをもらうことが重要だと思います。
しかし、「発達障害」専門的知識を増やすことは一方で、「ひと」としてのご本人を感じ・接することが後回しになっていくリスクもはらんでいます。
「障害」でも「症」でも「未診断」でも「定型発達」でも、その人の心を想うこと・想おうとすることが大切だと思います。
名称(診断)にこだわりすぎず・振り回されすぎず、ご本人やご家族が「障害(福祉)」支援を使ったり、「症(医療等)」から処方や特性理解したり、そしてなによりも「障害」でも「症」でもない「(心ある)ひと」として共感され、つながり、支えられることが大切だと思っています。
診断名やグレーゾーンに囚われて不安になることから少しでも自由になり、こどもやご本人、そしてご家族が、日々の安心感を通して、当たり前に成長していけるよう、一緒に模索していきたいと思います。
次回:~発達障害から「神経」発達障がいへ(後編)~


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